
浅草・観音裏。
観光地の喧騒から少し離れたこのエリアには、夜になるとふっと現れるようなお店がある。
今回訪れたのは、毎週木曜日の夜だけ営業する間借りの天ぷら店「さだむ」。
営業日も限られていることから、なかなかタイミングが合わず、ずっと気になっていた一軒。
ようやく訪問することができたこの日は、少し特別な夜の予感がしていた。










伊豆大島の恵みを、そのまま一皿に
こちらの天ぷらの特徴は、なんといっても食材。
伊豆大島で漁師をされているご家族から届く、海の恵みを中心に構成されたコースは、どこか“旅”を感じる内容。
都内でありながら、遠く離れた島の空気をそのまま持ち込んだような、不思議な感覚になる。
初めて出会う食材との驚き
印象的だったのは、「ぞうりえび」や「うつぼ」といった、普段なかなか天ぷらで出会うことのない食材たち。
最初は少し構えてしまうような名前でも、ひと口食べるとその印象はすぐに変わる。
素材の個性をしっかりと引き出した仕上がりで、どれも驚きと楽しさが共存している。
「知らない美味しさに出会う」という体験そのものが、このお店の魅力のひとつだと感じた。
軽やかで美しい、火入れの妙
天ぷらそのものの完成度も高い。
衣は軽く、油の重さを感じさせない仕上がり。
ひとつひとつの火入れが丁寧で、素材の水分や旨みをきちんと閉じ込めているのが伝わってくる。
見た目にも美しく、シンプルながら技術の高さを感じる一皿だった。
天ぷらとお酒、心地よいマリアージュ
日本酒のラインナップも豊富で、料理に合わせて楽しめるのも嬉しいポイント。
軽やかな天ぷらにはキレのある一杯を、
旨みの強い食材にはコクのある日本酒を。
ビールから始まり、日本酒へと流れていく時間もまた心地よい。
揚げたてをゆっくり味わいながらお酒を楽しむ、そんな大人の時間が流れていた。
浅草で味わう、小さな“旅”
浅草にいながら、伊豆大島の食材を味わうという少し特別な体験。
派手さはないけれど、じわじわと記憶に残るような、静かに満たされる夜だった。
営業は週に一度だけ。
だからこそ、その一夜がより印象的になる。
またタイミングを見て、ふらりと訪れたくなるお店。
ごちそうさまでした。
店舗情報
- 店名:天麩羅 さだむ
- エリア:浅草(観音裏)
- 営業:木曜夜のみ(間借り営業)
- ジャンル:天ぷら